若い時の海外経験は何のため?

ドイツから1年という期限付きで家族ごと引っ越してきた友人家族がいます。子供達は小学校5年生と中学3年生です。友人夫婦はアメリカでMBAをしたということもあり、早くから子供たちに英語環境になれさせて違う文化に触れさせたいという思いで、やってきました。まあ、なかなか勇気もいるし、仕事環境がそれを許したからいいものの、誰もができる選択ではないことは確かです。

その様子を見たもう一つのドイツ人家族が ”英語を早くから学ばせたいという為に、そこまでする必要がわからない”、といいます。英語があくまでも手段であるならば、ネイティブになる必要はないし、現にアメリカに20年住んでいてもばりばりの中国語なまりの英語を話す人も沢山いるので、コミュニケーションがとれればいいではないか、というのです。

ここで私が思うのは、引っ越してきた家族にとっては”英語を学ばせる”というのは理由の一つでしかない、ということです。違う環境にはいることで、人種、宗教、文化や背景が全く違う人たちと生活することになる、それはヨーロッパのように自国にいくら外国人が多いとしても、相手が自分にあわせてくれるのではなく、自分が他人にあわせないといけない環境になる、という事だと思うのです。その違いはとてつもなく大きい。若ければ、適応能力も高いので、すぐになれることができますし、語学力だけでなく、考え方そのものも影響されます。

20歳をすぎてから、アメリカでがんばってMBAをした2人からみれば若いうちにそういう経験をするということの重要さを身をもって知っていたといえるでしょう。

先日、アメリカに50年住んでいる通訳の方と話す機会があり、彼女いわく、”20代後半でアメリカにきたから、自分の仕事の分野の英語は完璧にわかるけど、発音とかっていうのは子供の時にこないとだめね”、といわれていました。

語学をどのように武器にしていくのか、で留学の形も、語学の修得度もかわってくるということかもしれません。